太郎平小屋の朝は早い
廊下の点灯は4時30分
しかし登山者の皆さんは4時過ぎから準備をするので、どうしても気になります。
上の段のの人もゴソゴソしています。

お隣で寝ていたご夫婦の小声の会話も耳に入ってきました。

5時の朝食に皆さん食堂に行かれる足音にゆっくり寝られません。

思い切って布団から起き上がると
奥さんが、私達に「今日下山することにしました」と辛そうに話されました。

なんと昨日の登りで靴のソールが剥がれてしまって、
まだ完全には剥がれてないけれど、
これから4日間歩くのは無理なので、下りることにしたという

「わたしのミスで、(夫には)申し訳ないことをした」と悔やまれます。

縦走用の靴でソールを張り替えて履いていて大切に保管されていたようですが
いくら大事にしても経年劣化は待ってくれないですね。

私も丁度ここに来る前にソールが少し剥がれていたので、張り替えに出しました。
しかし張り替えに3週間もかかるというので、仕方なく靴を買い、それを履いてきたのでした。
私は来る前に気が付いたのでよかったけれど、このご夫婦はお気の毒ですね。
「遠いけれどまた頑張って来てくださいね。」と励ました。


このご夫婦も下山だけなので、ゆっくりしていて、
奥さんから「今朝は雲海が綺麗ですよ」と教えていただいた。

アルプスでの楽しみにご来光や夕日があるのに、なぜか今回は見ていない。
高山病のせいなのか

朝食の前に外に出てみるとワリモ岳から黒部五郎岳までよく見えています。

今日は一眼カメラが壊れたので、コンデジの写真となります
 
 
そして北西に目をやれば雲海に浮かぶ鍬崎山と朝日に雲が輝いています。
 

食堂に戻って朝食をいただきます。
ご飯も味噌汁もおかわり自由なんですが、やっぱり食欲がありません。
隣の女性はおかわりしています。羨ましい限りです。
どうしても完食できず、作ってくれた方に悪いと思いながら食器を返却


部屋を片付けて外に出ると、もう坊主さんがやってきていました。
テン場は夜寒かったことやアブが凄かったことなど話してくれました。
ご一緒でなくて一人のんびりお酒三昧していたのかと思ったら、そうではなかったようです。

モーニングコーヒーを注文して美味しくいただいた後
スタッフも皆さん外に出て来られてラジオ体操が始まりました。
第一そして第二体操までやります。
すがすがしい空気の中の体操は気持ちがいい
 

ラジオ体操が終わるとほとんど人がいなくなった
広場から見える黒部五郎岳が呼んでいるようです。

こんな晴れた日に黒部五郎岳や雲の平を歩けたら気持ちいいだろうと思いながら
後ろ髪をひかれる思いで
9時49分太郎平小屋を後にしました。

左手に見える太郎山
こんなに晴れた雲海の日なのにご来光を見なかったことが悔やまれます。
またおいでということですね。

昨日と打って変わって快晴になったので、
むらくも曰く「もう梅雨明けや~、まっちゃいない」
「抹茶組合のまわしものと違うん」「い~や、まっちゃいない」
ある気象予報士はこの日梅雨明けした発表していました。
   

朝日に輝くチングルマの綿毛はまるで宝石のようでした。

雲海を見ながら下って行きます。
   

雲海に浮かぶ鍬崎山(くわさきやま)
この山には埋蔵金伝説があるとか

なんといい雰囲気なんでしょう 
 
 
 
右手に尖った山が見えてきました。「あの山はどこかしら?」
「剱岳?」「いや違う、大日岳?」等と言いながら下って行きます。

7時37分五光岩まで下って来ました。 ここで小休止です。
薬師岳や避難小屋、そして泊まった薬師岳山荘も見えています。

単独の男性が登ってきて休憩
すぐにストレッチを始めました。

この方曰く休憩所でなくても一時間毎にきっちり休憩するそうで
その時必ずすぐに足のストレッチをするそうです。
そうすると疲れにくいそうです。

そして水分も冷たいものを飲んだ時は美味しいかもしれないが
エネルギーを使うので疲れやすいから常温を飲むという
なんともしっかりした考えの方でした。

雲海はいつまでもあります。
登ってくる人に下る人沢山の登山者とすれ違います。
   
 
登って来られた一人が、
「あれは剱ですよ、手前は奥大日ですね。」と教えていただき、皆で納得
   
 
私が少しづつ遅れてきます。
靴紐の締めたところがあたり、紐を緩めても痛いのです。
色々締め方を変えても、よくなりません。
普通下りの時は、足が前にずれないように、締めるのですが
仕方なくゆるめてぼちぼち下って行きます。

大きなザックを背負った東京の大学生のグループがやってきました。
先頭の女性は20kg、後ろの男性はそれより重いとのこと
それでもどんどん登って行きました。若いっていいですね。
   

8時20分標高2011mの地点(太郎平から3km)まで下ってきました。
素晴らしい展望を見ながら皆さん休憩されています。

雲の下に有峰湖が見えます。
   

8時58分 三角点まで来ました。
沢山の方が休憩されています。私達も小休止
 

ここまで剱岳がスッキリ見られて最高
 

9時19分三角点を出発~
次々と登って来られますので、待つことが多くなります。
私の後ろの坊主さんは木の根っこにはさまったそうな

9時54分足が痛いのでまたアラレちゃんのところで小休止していると
そこへ下って来られた男性が
「奥さんにアラレちゃんの写真を撮って来るように頼まれたんです。」と
笑いながら一枚パチリ
「そりゃそうだわ、山に行ってた証拠写真持って帰らないと、疑われるわな」
   

5分程休憩して下り始めます。
次から次へと登って来られる登山者とすれ違います。
その都度、登り優先なので待つことが多くなります。

登りで写さなかったツルリンドウやアカモノの赤い果実
   


折立登山口が近い太郎坂が始まるころ
草刈り機の音が聞こえてきます。
登山道の草刈りをされていました。ご苦労様です。

太郎平小屋で同室の靴パコのご夫婦がゆっくり下られています。
お声をかけ、先に行かさせてもらいます。

それから少し歩いて行くと後ろから来るむらくもが

木の根っこにつまづいて
深くえぐれた登山道の溝を飛び越えて、登山道脇の土に頭から激突した。

幸いにも前日の雨で土は柔らかくなっており、頭がめりこんだだけ
起き上がったむらくもは、きちゃない顔をして云った。
「壁ドンしたがー、えへへ」

もし反対の谷のほうだったら、こんな笑いで終わらなかったでしょう。

歳をとるとなおさら、ちょっとのことで大事故に繋がるのですから、
十分気をつけて歩かなければならないと思い知らされました。

足元に気をつけながら、
10時42分無事に登山口まで戻ってきました。お疲れ様~

「かき氷がほしいよね。ジュースで我慢よ」
炭酸系の飲み物をゴクゴクゴク なんと美味しかったこと 生き返ったようです。

登山口には沢山のバスが待っています。
   

登山者を乗せてきた富山地鉄タクシーに
下山してきたちゃっかりおばさんはそのタクシーと交渉して乗せてもらうこと
恐るべきおばさんパワー 

バスの多さにビックリです。
   

駐車場も満車 ということは山小屋もいっぱいなんでしょうね。

さあ亀谷温泉白樺ハイツへGO
4日ぶりの温泉でさっぱりして立山あるぺん村で昼食
ゆっくり瀬戸大橋経由で帰っても日付が変わらない22時に帰宅することができました。
   

天候不安定で際まで出発を悩みましたが、思い切って行ってよかった。
お花畑に雄大な風景、アルプスはいいですね。
また是非雲の平や黒部五郎岳にも行ってみたいと思いました。

雨で壊れたカメラの修理見積りは4万円を越えるので
新しいカメラの購入となり、痛い出費となりました。


坊主さん大変お世話になりありがとうございました。
秋の遠足も宜しくね
 
yamapログ

https://yamap.co.jp/activity/1063658 
 
   

  
 
             

    薬師岳 2926m・北ノ俣岳 2661m(富山県)  その3
 
第3日目 (8/2) 太郎平小屋から折立に下山